今までのテーマトーク
1月のテーマは「部落や部落問題に関わっているうえでの、葛藤やモヤモヤがあれば教えてください」です!
(テーマ設定 みどりん)
たみ 「あなたは部落差別を直接受けたことがあるの?」と聞かれると、モヤモヤします。
聞く方は深い意味なく聞くのだと思うけど、そのモヤモヤにはたぶん幾つか理由があって、ひとつは、世の中で部落問題が原因で差別されている人がいる限り、それは「たまたま」私じゃなくってその人だったというだけのことだと思うのだけど、「私は直接は差別されたことがないよ。」と答えてしまうと、あたかも、私は差別とは無関係に生きているととられかねないんじゃないかなぁということ。
もうひとつは、私自身は確かに「お前部落民のくせに~!」って言われたり、「部落の出身者とは結婚できません。」なんていうようなことを言われたことはないけど、例えば、叔母が部落の出身ではない人と結婚した時に結婚相手が部落の親戚との付き合いを嫌がっているという理由で父が結婚式に呼ばれず、その後は音信普通になっていることや、中学生の時に学区域内で就職差別があって、私は将来自由に仕事を選べないのかもしれないと絶望したこと(大人になってからだったらそこまで思わなかったのだろうけど、まだ視野の狭い中学生の私にとってはとても大きな出来事だったのです)なんかは、私が直接誰かにされた差別ではないので、部落問題が原因で辛い思いをしていても(叔母の話を聞いたのも中学生の時だったので、その時も私は将来結婚できないかもしれないんだと悲観してしまったのです)、「部落差別を直接受けたことがあるの?」という聞かれ方をすると「ないよ。」と答えることになること。
多分他にもいろんな理由があるのだと思うんですが、モヤモヤなだけあって、この二つくらいしか上手く言語化できません…。 (2012/1/11)
みどりん 部落の外に出たことで得たアイデアやネットワークを、「この視点を取り入れたらいいな」と思って、部落に持ち込もうとするたびに「あ、これってここで必要とされてないな」と感じる。私が「この地域に必要だと思うこと・いい!と思うこと」と、地域(全体の雰囲気から感じる)ニーズのミスマッチで、いつも悩みます。(2012/1/16)
みよ 友人に私が部落の人間だと伝える時うまく伝わらない。
伝え方が下手なのもありますが、部落問題を全く知らないという地域で育ったせいか、友人達からしたらあまり身近じゃないせいか、何をどう伝えれば「気にしない」という肯定的に言ってくれている「気にしない」から肯定的な「気にする」になってくれるのかと、自分の思いをうまく伝えられない事にモヤモヤします。(2012/1/19)
C 私のモヤモヤは知り合った人に自分が部落出身だと伝えるタイミングが分からないことです。今かな?今かな?と思っているうちにタイミングを逃してまぁいいや、めんどくさい!となってしまいます。でもやっぱり自分のことを知って欲しいとゆう気持ちはあるのでとってもモヤモヤします。
地域によっても違うんだろうけど、皆どんな感じで言ってるのかな?と思います。(2012/1/19)
りゅうし 1:良くも悪くも、部落の人たちや部落解放運動が大切にしてきたことがさっぱり社会の中で理解されていないこと、ですかね。ギャップが大きすぎるので、現状も含め、うまく伝えていく必要があります。
2:1とも重なりますが、部落解放運動や解放教育の評価や総括が研究レベルでほとんどないこと。70年代まではいろいろ勉強したのですが、今は80年代後半から90年代がブラックボックスです。やることはいっぱいあります。
3:「差別が怖い」ということも理解されていないことのひとつだと思います。だって、実際にさまざまな差別を経験してこられたわけですから。だから「ここが部落ですよ」と簡単には紹介できない。でも「私のふるさとは部落ですよ。私の大切な場所ですよ」と言えるためには、打って出て明らかにする取り組みも必要ですよね。隠したくないけど隠さざるをえない、そして隠し続けていると理解されない。そこが葛藤というか、ジレンマです。(2012/2/19)
ともえ カミングアウトできる関係と、できない関係のあいだを、行ったり来たりして生きていること。
それは、部落にかかわらず、誰にでもあることなのかもしれないけれど〜。他にも思い出したら伝えます。 (2012/7/11)